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豊四季台 四季の会

更新日:2021年3月15日

団地概要

団地名:豊四季台 
管理戸数:1,240戸
管理開始:昭和39年4月
所在地:千葉県柏市

活動団体概要

団体名:四季の会
構成人数:21名(うち団地外3名)
活動年数:約9年

活動記録

作品紹介

《追悼の時、メモリアルデー》
天空のお花畑へと旅立った世話人の皆さんを偲ぶメモリアルデー、秋の植え付け作業の日でもあります。今日は、受験勉強中の高校生世話人S君も駆けつけて、力仕事を引き受けてくれました。いずれも年金世代の世話人たちにはまぶしいほどの生命力、追悼の時は至福の時に変わります。子どもに恵まれなかったYさんが遺した百合の仲間には、今年は沖永良部産の鉄砲百合が加わります。原種系チューリップをこよなく愛し墓石にも刻んだAさんには、ショーウィナー他赤い花姿をたっぷりと贈りました。


《戯れせんとや、生まれけむ?》
新年の仕事はじめ(?)となったこの日、月曜日ですが祝日、家の中での遊びに飽きた小学生世話人のK君とT君がけやき広場へと顔を見せました。ここはひとつ世話人らしくと、休眠中の球根たちに発芽を促そうと水やりを始めました。二人とも慣れた手つきですが、なぜか季節外れのびしょぬれです。暖冬とはいえ、大変な意地の張り合いにも見えますね。水やりの後は、取り残されていた落ち葉のベッド(いじわる猫め!)を片付けました。どんな仕事も創作と遊びの宝庫、ホモ・ルーデンスの面目躍如です。


《花の精霊夏祭り、今でしょ!》
四季の会宣伝活動の一環として『花の精霊祭り』を実施してきましたが、コロナ禍にあって頼みの団地ふるさと祭りが早々と中止になりました。それでは、と幻になった東京オリンピック開催式当日に合わせて、共同花壇『石楠花の道』に出店、花の愛好家の皆さんのご期待に応える新機軸です。昨年好評だった梅ジャムこそありませんが、今年の目玉はやはり6号鉢や10号鉢に仕立てられた川俣名産『ざる菊』の鉢物。新旧の会員に加えて熱心な支援者の方々から例年の倍、5,140円もの寄付をいただきました。


《カサブランカ通り、願いを込めて》
四季の会の宣伝活動の一環として団地商店会にカサブランカの球根を贈るプロジェクト。2年目の今年はなんと支柱も完備の12株、商店会事務局を担当する若旦那(お米の嶋村本店)を引っ張りだしての植え付け作業です。新たに共同世話人となったばかりのYさんも出先から駆けつけてくれました。昭和ひと桁世代の皆さんの行動力には本当に頭が下がります。商店会の方でも、20株ほどを準備するとのことで、今や立派な共同プロジェクトになりました。開花は半年以上も先のことですが、カサブランカの集客力(?)に期待したいものです。


《君知るや、静まりの時》
4月を目前にして突然の春の雪、共同花壇のあるけやき広場は再び静寂に包まれました。初冬から早春にかけて、広場は『静まりの時』を迎えます。落ち葉降り敷く『日陰の花壇』では、ナンテンの紅葉に囲まれて力強い生命力の営みが始まります。一方、『日向の花壇』では紅葉も花もなく、秋植え球根と宿根草が休眠中。それを寂しいなどと無粋なことを言ってはなりません。それどころか、たっぷり着込んで歩き出せば、聖なる『静まりの時』があなたの全身を包み込んでいることに気が付くでしょう。


《王国は、夏来にけらし》
私たちの遺産『野の百合を見よ』に沖永良部産の鉄砲百合が加わりました。琉球百合とも呼ばれる南国の百合は、たっぷりの陽光と中性土壌を要求、ヤマユリなど他の島国固有種とは異質の存在です。幸い暖冬にも恵まれ、故郷沖永良部島そのままの開花の時を迎えました。団地内をめぐるプロムナード『四季の道』の分岐点、ヘメロカリスの夏、ラベンダーの夏にもまして、ひときわ目立つその力強く華麗な花姿が人々を魅了します。


《商店街からの贈り物、ざる菊の秋》
『カサブランカ通り』プロジェクトのお礼にと、商店会から福島県川俣名産『ざる菊』をいただきました。株分けした小さな苗が直径40センチメートルもあるドーム型へと成長。11月には満開の豪華な花姿で日向の花壇を飾りました。冬ごもりを前に寂しかった秋のプロムナードは一変し、5月の石楠花にも負けない人気を博したところです。ここ豊四季台では、福島を故郷とする住民も少なくありません。飯館村から避難を余儀なくされている老夫婦もおられます。まさに望郷の福島、望郷のざる菊となりました!


《コロナ禍、石楠花の道を踏めば》
緊急事態宣言下、石楠花の最初の一凛が花弁を広げたのは連休中の5月5日のことでした。硬い蕾に折りたたまれた花のカプセルは、大気圏外に到達して一気に拡張する宇宙船を連想させます。例年なら数日で満開になるところですが、暖冬の今年は8株の石楠花それぞれに寝ぼけた時間を楽しんでいるかのようです。そして開花から12日、前日の雨の恵みをたっぷり受けてようやく満開の日を迎えました。日曜日の今日は、常連さんばかりでなく、見慣れぬ家族連れやにわか写真家も出現して久々のにぎわいです!


コミュニティ活性化への取組みについて

デザインへのこだわり

  • 団地建替に伴う『緑のワークショップ』を母体に、自治会役員と住民有志で『四季の会』を設立。当初は住民参加による失われたコミュニティの再構築を目指したものの、通常の運営では花壇管理の実務をこなしきれず、6年前の春に共同世話人の仕組みを導入。その後は全面的な寄付による運営に移行。『あなたを決してひとりにはさせない!花と緑そして土と遊ぶ四季の会』と呼び掛けてきたところです。
  • 花壇のデザインは住民参加によるワークショップで論議され、基本的なコンセプトは現在も継承されています。花壇中央に低木を配置するとともに、合わせて4区画ある花壇それぞれを代表する花を選び季節感を演出していますが、季節を問わず吹き抜ける強いビル風に悩まされています。なお、住民の皆さんから寄付を受けた花苗には、土壌や日当たりなど特性に配慮したうえで特別にコーナーを設けて対応しています。

活動継続のための取組み

  • 参加人数増加のために、自治会広報誌や自治会行事等での呼びかけ、チラシやビラの配布を行っている。また、その他共同花壇や団地ふるさと祭り会場で宣伝活動『花の精霊夏祭り』を開催。
  • 活動継続への取組みとして、6年前の春に共同世話人という仕組みを導入し、日常の管理を世話人ひとりひとりのライフスタイルに自由に任せることとしました。自治会の役員には通常の業務があり、配偶者の介護という難題を抱えているメンバーもいますので、定例会の開催はもちろん当番を決めての対応も壁に突き当たっていました。共同花壇コンクール入賞の波及効果もあって、現在では小学生や中高生から、昭和の戦争を生き延びた国民学校世代に至るまで、多世代13名の共同世話人で花壇の管理および周辺広場の見守りを続けることができています。家族の介護でイベントに顔を出すのが精一杯になっても、本人自身がデイサービスに通うなど、要支援あるいは要介護の状態になったとしても世話人としてかかわることができる、そうしたゆるやかな仕組みが必要だと考えています。
  • 活動団体内の交流としては、定例会での飲食を伴う語り合いの楽しみは事実上なくなり、共同花壇のあるけやき広場での作業そのものが世話人相互の井戸端会議としての役割を果たしています。世話人全員が揃うことはいくつかのイベントを除いてないので、世話人をつなぐ連絡便である『ふくろう便』を発行しています。ここ何年かは毎年10通ほどのペースで各世話人の郵便ポストに投げ込まれるのですが、折々の花便りや会計報告等に加えて、自治会事務所の花梅を材料に梅仕事を呼びかけ、梅ジュースや梅ジャムを仕込むなど生活の知恵を交流しています。

花壇を通じて生まれた人と人とのつながり

  • 団地居住者との交流
    宣伝活動『花の精霊夏祭り』は、共同花壇で生まれた花苗や球根などを提供して寄付をお願いするとともに、私たちの活動の一端を知ってもらおうという取り組みです。コロナ禍の今年は団地ふるさと祭りが中止となったため、活動場所の共同花壇でウォークスルー方式の展示即売所を開設。四季の会特産の花苗の鉢物や秋植え球根を会員のみならず熱心な花愛好家の皆さんに提供しました。
  • 子どもたちとの交流
    共同花壇のあるけやき広場は居住者の皆さんのいわば中庭ですが、子供たちにとっては格好の遊び場です。3年前の晩秋、四季の会恒例の落ち葉搔きが契機となり、5名の小さな共同世話人が誕生しました。彼らも今は多忙な高学年、世代交流の波が好奇心たっぷりの保育園児たちへと向かいつつあります。
  • 地域に暮らす人との交流
    団地ふるさと祭りへの出店を契機に、団地商店会との共同プロジェクトが始まりました。商店街の通りを『カサブランカ通り』に変身させようという取り組みです。
    共同花壇には3年前の夏に急逝した世話人Yさんの遺産『野の百合を見よ!』の区画があります。いわばその系譜に連なる百合たちが商店街の通りを飾ることになりました。一方、商店会からは福島県川俣の『ざる菊』の贈り物、秋を象徴する花姿が加わりました。

その他、アピール点等

  • 共同世話人体制に移行することで、ボランティア組織『四季の会』の構成メンバーは、共同花壇管理の第一線を退いた自治会役員8名が名誉会員として対外的な窓口となる一方、花壇管理の実務を共同世話人(現在13名)が責任を持って担うかたちになりました。世話人ひとりひとりにとっては、自らのライフスタイルを基本に、時間管理や体調管理をすることでボランティアとしての自発性を確保できます。いわば、晴耕雨読の自由自在さが魅力です。どこかの公的機関の下請けでもなく、ボランティアがボランティアを使うなどという矛盾もありません。また、小学生や中高生が楽しみながらボランティアにかかわるには、ひとりひとりが主体となる共同世話人という仕組みが魅力的に映るはずです。世話人であることを証明するグッズ(名刺代わりの認定証とストラップ)も用意して、けやき広場の景観保全に一役買ってもらっています。とりわけ、けやき広場を遊び場とする小さな世話人のネットワークが、建て替え後のコミュニティの再生にどんな効果をもたらすか、期待を持って見守っているところです。

2020年度共同花壇コンクール<審査結果>

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